behind the "routine"

#3 工藤 みどりさん

工藤 みどりさん

暮らしを整える“毛づくろい”

創作活動を始める前や自由時間は、毛づくろいをするようにして、自分の衣服や身の回りの床にあるホコリやチリをつまんでいます。ズボンやテーブルの下、部屋の角など隅々までつまんでいくので、みどりさんの周りはいつもピカピカです。

Photo: Harumichi Saito

ダンシング・みどり

チャーミングで愉快なみどりさんは、楽しそうな音楽を聴いたり踊っている人をみたりすると、リズミカルな音楽に合わせて踊ります。音楽だけではなく、映像があるとなお踊りだすのだとか。『NHK紅白歌合戦』の録画も何度も何度も楽しんでいて、特にお気に入りなのは氷川きよしさんの『きよしのズンドコ節』。撮影にお邪魔した日は、グループホームのベンチに腰掛け『COUNTDOWN TV』の録画をじっと見ていたみどりさん。関ジャニ∞の『ええじゃないか』が始まると、目を輝かせながらおもむろに腕を左右に振って踊っていました。

Photo: Harumichi Saito

洗濯物は自分で干す

グループホームでは、炊事や洗濯などの家事は支援員の方と分担します。みどりさんは、「洗濯物は自分で干したい」と必ず自分の手で洗濯物を干すそう。その際、ピンチ(洗濯はさみ)で沢山とめることがみどりスタイル。

るんびにい美術館・板垣さんから見る、みどりさんってどんな人?

みどりさんには、内面(精神)と外界の関係性に、独特な在り方があるように感じます。自己の内と外が渾然一体になっているような…

創作の発端は、周囲にいる他のメンバーの行為(創作活動)や、視界に入る素材など、外発的な環境要素による誘発から始まることが多いように思います。

たまたま近くにあった素材や、周囲の人の行為などが、水面に落ちる雫のようにみどりさんの精神に波のようなものを起こし、それが内的なエネルギーに一つの方向性を与え、創作行為的な動作のアウトプットに収束される…という感じの流れなのかな。そんなことを考えたりします。

気分が高揚していると、いろんな人に「だいすきだよー!」と呼びかけるフレンドリーなみどりさんがいる一方で、気分が下降すると、何日ものあいだ言葉数も少なく表情も険しい様子で過ごすこともあります。